2010年12月28日火曜日

子宮頚癌ワクチン公費による接種(中学1年~高校1年女子) 1月中旬以降開始予定です。

各種報道でごらんになられている方も多いと思いますが、京都市、乙訓各地域で中高生女子を対象とした全額公費負担による子宮頚癌ワクチン接種が開始となります。(開始時期は自治体により若干の違いがあります。)






















京都市
http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000093055.html


乙訓地域
対象:中学1年生~高校1年生の年齢相当の女子
(ただし22年度に高校1年生相当であって、22年度《平成23年3月31日まで》に1回又は2回の接種を行ったものは、23年度において残りの接種分を対象とする。)
接種回数 3回
接種場所 委託医療機関
実施機関 平成23年1月~平成24年3月31日まで
接種費用 無料
持ち物 健康保険証、母子手帳など
問い合わせ先 向日市 健康推進課 931-1111(代)
長岡京市 健康推進課 955-9705(直)
大山崎町 町民推進課 956-2101(代)


いよいよ年明けから接種開始ですね。
報道で痛みによる失神の副反応が報告されております。


http://ameblo.jp/niinomi/entry-10538276806.html


やっぱり、生命にかかわる副反応ではないようですが、痛みに対するケアも必要なようです。


宜しくお願い申し上げます。

年末年始休診のお知らせ

12月29日~1月4日まで、年末年始の休診とさせていただきます。

誠にご迷惑をおかけいたしますが、宜しくお願い申し上げます。
  
乙訓休日応急診療所
12月31日 1月1日〜3日
午前9時30分より午後4時075-955-3320

長岡京市今里北の町39−4(西国街道一文橋より西へ1キロ第7小学校横)http://www.otokuni-med.net/holiday/clinic/index.php

2010年12月8日水曜日

胃がん撲滅プロジェクト ABC検診

もうクリスマスまで3週間をきりましたね。

今回は11月の週末参加した講演会の報告をさせていただきます。

ABC検診という胃に関する検診の方法が従来のバリウムを使った胃がんの検診の方法から置き換わろうとしております。(なかなかそのみちは険しいようですが)

http://news.livedoor.com/article/detail/3965684/

内容についてかんたんに解説させていただきますと、
その1/ピロリ菌という感染症が胃がんと大きな関わりをもつこと。(感染したことのないひとからはほとんど胃がんが発生しない)
その2/ピロリ菌の感染の有無を調べることで、胃がんに罹患する危険性を予想することができます。ただ、問題なのは胃炎がかなり進行した状態になると、ピロリ菌が身体から消える現象がみられるのです。そういう状態が胃がんに罹患する危険性がかえって高まった状態とされています。
その3/ペプシノーゲン法という胃炎の状態を調べる方法とピロリ菌感染の有無をチェック方法、その2種の組み合わせをつくり(AからDの4種)胃がんに罹患する危険性を層別化するのが、ABC検診です。
その4/危険性が高いひとのみ胃内視鏡検査(B〜D)を受けていただき、危険性の低いひと(A)は内視鏡検査は必要ないと判断します。こうすることにより、全体の4-5割程度の方(A)が更なる内視鏡検査に必要性がなくなります(胃がんに罹患する可能性がほとんどない)。
その5/バリウムによる検診に較べ、費用としては安価に危険性の高いひとを抽出できるのが、この検診の特徴なのです。
その6/ただ実際の運用上の問題点としては、内視鏡検査を必要と判断されたひと(B〜D)の5割程度のひとしか、内視鏡検査を受けてもらえてないそうです。(ABC検診を受けたままにし、肝腎の精密検査を受けない)

NPO法人「日本胃がん予知・診断・治療研究機構」というものをつくられて、普及につとめられております。高崎市や京都の伏見区では、実際検診として運用が開始されております。

http://takasaki.gunma.med.or.jp/kenkoujyouhou/igankensin.html
http://knowingcancer.sukoyakaan.com/2010/09/post-75.html

普段、胃内視鏡検査を行っている医療者の立場から個人的な意見を言わせていただきますと、現在の胃がん検診の問題点は受診率の低さや、それにかかる費用の問題があり、検診として機能しているかというと、充分満足な結果が得られているとは言い難い状況にあります。

現在、毎年胃がんで亡くなられる方は5万人いると言われており、その率はさがっていないそうです。

胃がんをピロリ菌感染という感染症としてとらえ、それに対する対策を立てるという方向で、検診も組み立て直すことが必要な時期に来ているようです。