2017年1月5日木曜日

胃がん撲滅プロジェクト23 胃がんリスク(ABC)検診の考え方

先日、がん検診学会から胃がんリスク(ABC)検診に対する注意喚起の案内がありました。


地域によっては従来のバリウム検診がリスク検診に置き換わる傾向があり、それに対する警鐘としての学会の考えを示したものです。
内容は、胃がんリスク(ABC)検診自体は未だがん検診ではないということへの念押しで、リスクの少ないとされるA群からも、胃がん症例がでる可能性があるということです。
以前から、A群に混じるややリスクの高い群を偽A群と呼び名をつけ、A群から何とか除外しようとしてきました。

偽Aについて


ピロリ抗体価やペプシノゲン値の基準値を動かす事により、A群に混じるややリスクの高い偽AをBC群に組み込む事は可能です。ただ、難しいのは、何らかの要因でピロリ菌が自然に消失した人たちも、A群に入ってしまいます。(感染既往群)

リスク検診において、この人たち(感染既往群)をA群から完全に除外することは、至難の技です。
今回、がん検診学会が伝えたいことは、繰り返しになりますが、次のようです。

「A群には、リスクのある偽A群や、経過観察が必要と思われる(感染既往群)も一部含まれます。
検診でA群と判定された場合、リスクなしとは考えずにおいてください。」

以下は私見です。


「A群と判定されても一度は内視鏡検査を受けて感染既往の有無について判定してもらってください。」

「内視鏡の結果、感染既往なしと判定されたら、リスク検診の本当のA群(真A群)となり、以後の検診の必要性はほぼ無くなります。A群以外の判定となった人はリスク検診のBC群に準じて経過観察を受けてください。」

最後にリスク検診の質疑応答でわかりやすいものがあったので、リンクは貼らせていただきます。

BC検診ゼミナール

リスク検診は検査方法が簡単で、費用負担も少なく、より多くの方に受けていただくことができる検査方法です。

がん検診と組み合わせて、検診の精度を上げることや、検診に要するコストを下げることに活用できれば幸いです。

画面左から、 真A群・感染既往・偽A群 になります。







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