向日神社近くのスーパーに生い茂る樹です。なにかいわれがあるのでしょうね。 |
昨年にひきつづき、今年も京都府の消化器がん検診委員会指定講習会に参加してまいりました。
今回の講習会には消化器がん検診学会の理事長の講演がありました。
「胃がん検診の新展開」という演題でしたが、学会自体が胃がん検診を行ってきた学会なので、その長である先生の、その立場を踏まえての講演でした。
昨年の講演が、消化器内科を標榜する医師にとって疑問符をつけたくなる講演だったので、
http://pakuncho.blogspot.com/2011/04/blog-post.html
今年はそれに対する講演かと少し期待して参加したのですが、状況はそれほど甘くないようでした。
1従来のバリウムを使ったX線検査の充実拡大
2内視鏡スクリーニング検査の導入
3胃がんのハイリスクアプローチ
と3つのシナリオを提示していただきました。
従来の胃がん検診(バリウム)を踏襲して、何か新しい内容を入れていけないかということをお話されていたのだと思いました。
講演をお聞きした印象は、
検診の重鎮の先生方は胃がんを見つけるというところに主な目的をもっておられるようでした。
それは検診の役割から考えて当然なのですが、胃がんの大きな原因となっているピロリ菌の感染のコントロールというところにはなかなか議論がたどりつかないという感想をもちました。
また、ABC検診という名称にも問題があるようです。
私もABC検診という言葉を気軽に使わせていただいておりましたが、正確には検診の前には疾患名がつくべきとのことで、ABC検診も「胃がんリスク検査」などの用語をつかうべきとのことで、「検診」という用語はABC検査に使うのは適当ではないとのことでした。
ABC(検診をやめて検査と書いてみます)検査が、日本の胃がん検診のシステムのなかになかなか入り込みにくいのではないかということを認識したのかもしれません。
検診のことはさておいて、胃がん撲滅プロジェクトという大きな目標をたてるとしたら、その核となるのは、やはりピロリ菌感染のコントロールであるとおもいます。胃がんの拾い上げ(検診)はピロリ菌感染の結果がほとんどなので、プロジェクトの一部に位置するのでしょうね。
このプロジェクトを推し進めようとするなら、それぞれの立場の人が現状にたちはだかる垣根を乗り越えて、胃がんを撲滅するという一つの目的に向かって協力していく必要があるように思いました。
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